2022年9月6日(火)
基調講演 1 :
SysMLv2と共に前進する
スピーカー:サンフォード・フリーデンタール
概要:
SysML v1は2006年に採用され、モデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)を有効なものとするには極めて重要なものとなりました。それ以来、SysMLによるMBSEの適用に関して多くのことが学ばれてきました。SysML v2 Submission Team(SST)によって開発されている次世代のSysML v2は、SysML v1の制限に対処し、MBSEをさらに進化させる能力を提供します。SSTは最終的な提出に向けて進めているところですが、このプレゼンテーションでは、SysML v2の動機、アプローチ、および機能を要約します。
バイオ:
Sanford Friedenthalは、業界のリーダーであり、モデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)の独立コンサルタントです。彼は元ロッキードマーティンのテクニカルフェローであり、モデルベースシステム開発(MBSD)およびその他の高度な実践を会社全体で実現するための取り組みを主導してきました。そこでは概念設計から、航空宇宙および防衛の幅広いシステムでの開発と製造に至るまでの、システムライフサイクル全体にわたるシステムズエンジニアリングの適用を経験しています。 Friedenthal氏は、2006年にOMGによって採用されたSystems Modeling Language(OMGSysML®)を開発するためのObject Management Group(OMG)およびINCOSEを通じて、業界標準の取り組みのリーダーをされています。現在は次世代のSysML(v2)開発を共同リーダーとして主導しています。彼は「A Practical Guide to SysML」と「Architecting Spacecraft with SysML」の共著者であり、更に、INCOSEのシステムズエンジニアリングビジョン2035を開発する取り組みの際もリーダーを務められました。
Unified Architecture Framework:混沌から秩序を作り出す
スピーカー:マシュー・ハウズ
概要:
ほとんどの創造神話では、宇宙は混沌から作られています。超自然的な存在が混乱に秩序をもたらすまでの状況は、無秩序で、ランダム性があり、侵入不可能な空虚なものです。ギリシャ神話では、ヘシオドスによれば、混沌は「最初に生まれたもの」でした。日本神話では、混沌とした神は天津甕星(天香香背男とも呼ばれる)でした。彼はもともと反抗的な神であり、他の天神の意志に服従することはありませんでした。彼が出雲国を征服した際には、タケミカヅチに鎮圧されてしまいました。エンタープライズおよびシステムオブシステムズをモデリングする場合、混乱を抑えることはエンタープライズアーキテクトの仕事です。彼らは、さまざまな利害関係者に対する複数のタイムラインにわたる多くの異なる視点と抽象化のレベルから、混乱を解釈、評価、および分析する必要があります。エンタープライズアーキテクトには魔法の剣や敬虔な力はありませんが、彼らの仕事を支援するためにユニファイドアーキテクチャフレームワーク(UAF)はあります。 UAFは、戦略、運用、サービス、システム、人員、プロジェクト、標準、情報、およびセキュリティのビューを複数の抽象度で提供し、複数の多様な利害関係者とそのニーズをサポートします。クロスドメインの視点は、さまざまな視点、側面、関心事を横断する手段も提供します。 UAFアーキテクチャモデルは、組織、システム、およびシステムオブシステムズの間に存在する複雑な関係の理解を深め、これらのシステムの分析を可能にし、ユーザーコミュニティの期待に確実に応える手段を提供します。 UAFは防衛関連の枠組みにルーツがありますが、商業組織にも同様に適用できます。このプレゼンテーションでは、UAFの概要、その由来、将来の開発、使用場所の例、およびUAFが具体的なエンジニアリングシステムにどのような結果をもたらすかについてお話します。
バイオ:
Matthew Hauseは、SSI (System Strategy, Inc.)のプリンシパルエンジニアであり、UAFグループの共同議長およびOMG SysML v2仕様チームのメンバであり、またOMGアーキテクチャボードのメンバーとして10年間務めました。彼は45年以上にわたって多国籍に渡る複雑なシステムを開発してきました。彼は電力システム業界でキャリアを始めました。その後、防衛指揮系統機構、プロセス制御、製造、工場自動化、通信、SCADA、分散制御、オフィス自動化、および技術およびリアルタイムシステムなどの多くの分野を経験され、役割としてはプロジェクトマネジメントや開発など様々でした。 SSIでの彼の役割には、メンタリング、販売プレゼンテーション、標準開発、カンファレンスでのプレゼンテーション、UAFプロファイルの仕様、トレーニングコースの開発とデリバリーが含まれます。彼は、建築モデリング、プロジェクト管理、システムズエンジニアリング、モデルベースエンジニアリング、ヒューマンファクター、セーフティクリティカルシステム開発、バーチャルチーム管理、プロダクトラインエンジニアリング、システムオブシステムズ、UML、SysMLを使用したシステム/ソフトウェア開発に関する100を超える技術論文を執筆しています(例: DoDAF、MODAF、UAFなどのアーキテクチャフレームワーク)。彼は、INCOSE、IEEE、BCS、IET、OMG、AIAA、NDIA、DoD Enterprise Architecture、Embedded Systems Conference、およびその他の多くの学会で定期的にプレゼンターを務めています。彼は最近、オーストラリアのDSTOで開催されたモデルベースシステムズエンジニアリングシンポジウムで基調講演を行いました。マシューはニューメキシコ大学で電気工学を、テキサス州ヒューストン大学でコンピューターサイエンスを学びました。プライベートでは、彼は教会のオルガニストであり、5人のいたずら好きな子供たちの祖父です。